「子連れという自由」を! ― 『ベイビーパッカーでいこう!』 おぐにあやこ著
先週末の雪、すごかったですね
連休明け、ペー2(1歳7ヶ月)を保育園に送ろうとベビーカーで出発したものの、これが大失敗。
滑るとかいう次元以前の問題で、あらゆるところにある雪の段差を乗り越えるのに悪戦苦闘し、けっきょく途中で挫折。
いやー、無理ですよ。
いつまでも続くあの段差をベビーカーで乗り越えつづけるのは
・
話は変わって。
昨年12月6日に、とても面白いイベントに参加しました。
「日本のメディアにダイバーシティはあるのか」 → こちら参照
・
内容は主催者の森林さんのブログをご覧いただくとして、そこで、とっても嬉しい出会いがあったのです。
それは、たまたま隣の席に座った新聞記者の小国綾子さん。
数年前、夫のアメリカ転勤に、長年勤めた新聞社を辞めてついて行ったという小国さん。
アメリカ生活、キャリアと子育て、日米の文化の違い、etc.・・・・
いろいろ話しているうちに、「なんだかとっても価値観が似ているなぁ」なんて勝手に思い、図々しくも私の本を「読んでください!」とプレゼント
その後、懇親会でもいろいろ話を伺ってたら、ますます気が合うじゃないですか
何よりも、息子さんが6ヶ月のときに、バックパック担いで母子2人でスペインに3週間も行ったというからオドロキです
「私も息子2人と沖縄に1ヶ月行ってきたんですよ~」なんて話してたら、「じゃあ、あなたの本のお返しに、私の本を送るわよ」と言ってくれて
その名も、「ベイビーパッカーでいこう! ― 赤ん坊とザック担いでスペインの旅」
・
さっそく読ませていただきましたが、これが面白いのなんのって
共感しまくりでした。
・
あらすじはこんな感じ。
---------------------------------
就職してから、新聞記者としてとにかく働きづめだったおぐにさん。
同業の夫と結婚して、32歳で出産。1年間の育児休業を取得した。
が、夫だけが仕事を続け、自分だけがキャリアを中断されることに不条理を感じる毎日。
子どもとの時間を大切にしたいが、心は半分仕事に取られたまま。
こんなの、やめちゃいたい――
そう思った時、旅に出ることに決めた。
8割は夫への、1割は男社会への意地、そして残りの1割は、「子どもがいないから何もできないと思う自分から、自由になりたい」という切実な思いだった。
そして向かったスペイン。
行きの飛行機の中では、「とにかく泣かないように」と、息子にはひたすらおっぱいをくわえさせていた。
「2人で旅行? 父親はスペインに?」という質問にも、「ええ、まあ」と嘘で答える。
1時間おきに泣く息子に、周囲の冷ややかな視線を感じて萎縮しきっていた。
何とか14時間のフライトを終え、スペインに到着。
3週間の珍道中が始まるのだった――
---------------------------------
面白そうでしょ。
面白いですよ
・
現地では、「夜逃げスタイル」の移動が定着。
夜逃げスタイルとは、
ベビーカーにバックパックを乗せて、抱っこひもで赤ちゃんを抱っこして、えっちらおっちら石畳を押して歩くこと。
何で冒頭に雪の話を書いたかというと、雪の中ベビーカーを押しながら、小国さんを思い出して微笑んでしまったわけです。
きっと、スペインの石畳ってこんな感じだろうなー。
これを3週間やりきったのか!
それだけでも人生観変わりそうだなぁ。
って
・
その他の珍道中ももちろんオモシロいんですが、それは読んでもらうとして。
何よりも共感するのが、旅を通じた著者の心の成長。
・
帰りの飛行機では、なぜか皆が優しかった。
行きの飛行機で感じた冷たい視線がなかった。
そして著者は気づく。
皆が変わったのではない。自分が変わったのだと。
そんな母を見てか、息子もずっとゴキゲンだ。
そう、著者は「赤ちゃん連れという自由」を手にしたのだ。
「赤ちゃんがいるからできない」ではなく、「赤ちゃんがいるからこそできること」、「赤ちゃんがいるからこそ出会える街、人、そして旅」。
著者は、この旅で得られたことを胸に、その後の人生を生きていくのだろう。
・
というわけで、その10数年後の小国さんにお会いしたわけですが、あの素敵な雰囲気は、こういう旅を経験してきたからこそなんだろうなと、思いました。
「たまたま事故がなかったからよかったものの、こんなの親としてありえない」なんてナンセンスな批判もあるようですが、この本で感じてほしいことは、そんな表面的なことでは絶対にありません。
「子連れだからできない」ではなく、「子連れだからこそできること」にぜひ目を向けてほしい
子育てを”弧”育てと感じて一人で悩んでいるすべての親に、ぜひ読んでほしい一冊です。
(もう絶版なのが残念! 読みたい人にはお貸ししますよ~)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
ブログランキングに参加しています。
1日1回、下の「主夫」マークをクリックお願いします!!
にほんブログ村
(携帯モードからはカウントされないので、iphoneなどからは、PCモードに切り替えたうえで押していただけると、ひじょーに嬉しいです。わがまま言ってスミマセン!)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
« 「主夫あるある」の行間に込められたメッセージ ― 『プロチチ』第2巻 | トップページ | はじめてのラジオ生出演! »
「読書録」カテゴリの記事
- 「子連れという自由」を! ― 『ベイビーパッカーでいこう!』 おぐにあやこ著(2013.01.20)
- 「主夫あるある」の行間に込められたメッセージ ― 『プロチチ』第2巻(2013.01.16)
この記事へのコメントは終了しました。
« 「主夫あるある」の行間に込められたメッセージ ― 『プロチチ』第2巻 | トップページ | はじめてのラジオ生出演! »
コメント